外国人観光客が年々増加する京都において、京町家をゲストハウスとして改修する計画。「コロナ禍以降のゲストハウスとは何か」を考えた際に以前から感じていたことは、旅行をする際に「旅行者」として扱われたい人は少なく、「その地域の日常を覗き込むような旅」を求めているのではないか、という考えを設計の手がかりとした。
建物は住居として何度も改修が加えられていた建物であった為、京町家といっても既存の躯体は部分的に新建材で隠れており、新旧がいびつに混在する建物であった。
既存の躯体を現すことも考えたが低予算の計画であることから、解体を極力少なくしながら建物が経過してきた時間を再構成するよう設計を行った。
入口は一等材をルーバー形状に配置することで、建物内部への引き込みを図っている。一等材の木材は反りや狂いもあるが、ルーバー形状やR形状にすることで木材が狂っていても目立たないとした。
内装はオーナーが肥料製造業を営んでいること、以前の住人が染色店を営んでいたことから影響をうけ、江戸時代に着物の地色として愛好された紅鬱金色とした。
浴室については信楽焼陶器浴槽に地域産材の檜デッキが取り付く形とし、坪庭に面した開口部の高さを絞ることで、風景画のように庭が眺められる風呂場としている。
古い部分と新しい部分が融合するように、調和と対比のゆらぎを空間に馴染ませることができた改修となり、観光客が期待する京町家らしさと日常生活のしつらえを整えたゲストハウスとなった。
| 所在地 | 京都市東山区弓矢町 |
|---|---|
| 主要用途 | ゲストハウス |
| 家族構成 | |
| 建築面積 | 77.52m2 |
| 延床面積 | 135.92m2 |
| 構造構法 | 木造 |
| 規模 | 2階建 |
| 設計期間 | 2024.5~2024.7 |
| 工事期間 | 2024.8~2024.12 |
| 構造 | |
| 施工 | 複数の工務店 |
| 撮影 | amu 吉田祥平 |